“頑張れない子”の裏にある身体のサイン——整骨院が見る学力と姿勢の深い関係(前編)

多くの親御さんは、子どもの成績をもっと上げたい、と考える時
「塾を変える」「参考書を揃える」「勉強時間を増やす」など、
まずは“学習環境”を整えようとします。
しかし近年、学力の土台として「姿勢」が重要であることが、
教育・医療・脳科学の分野で共通して語られるようになっています。

目次
教育の専門家も指摘する「姿勢と学力の相関」
医学部専門予備校・京都医塾のコラムの中に
『学力向上の一因は姿勢にあり!』という記事があります。
簡潔にまとめると、
正しい姿勢は、長時間の学習を支え、学力向上の重要な土台となる。
という内容が書かれています。

東大卒講師・林修先生の発言も有名
テレビ番組の中で林先生は、こう語っています。

二つの情報源はまったく別の視点から語られていますが、
結論は同じ──姿勢が良いほど、学習能力は発揮されやすい。
専門教育の現場と、トップ指導者の経験則が、この一点で一致しています。

子どもの「考える力」が年々落ちている?
日本では2007年から全国学力調査が行われています。
問題は毎年異なるため厳密比較はできませんが、
20年近い推移を見ると“学力の土台”が必要な問題の正答率が下がる傾向が読み取れます。
とくに国語では、
・要点整理
・複数情報の関連づけ
・理由をつけた記述
といった“思考・整理・表現”の領域で低下が目立ちます。
算数・数学でも、
・計算など基礎問題は横ばい
・条件整理・図形・文章題など、集中を要する問題で差が出る
という傾向が続いています。

共通しているのは「集中の持続が必要な問題ほど落ちやすい」という点。
これは怠けや意欲の問題ではありません。
近年の子どもたちに多く見られる、
・姿勢保持に必要な体幹の弱さ
・長時間座るための身体基盤の不安定さ
が背景になっていると考えられます。
姿勢が崩れると、
・目線が安定しない
・呼吸が浅くなる
・注意が途切れやすい
・長文の読解が進まない
など、“学力の前段階”でつまずきが起こります。
つまり、学力の伸び悩みには身体的な要因も確実に存在するということです。

なぜ姿勢が悪いと “集中できない” のか?
① 呼吸が浅くなる → 脳の酸素量が低下
猫背は肺を圧迫し、脳のエネルギー源である酸素が不足します。
思考力・集中力・記憶力はまっ先に影響を受けます。
②首・肩の緊張 → 落ち着きがなく集中が続かない
姿勢が崩れると首や肩が常に緊張し、
イライラ・ソワソワ感が出やすく、集中が途切れやすくなります。
③ 姿勢を支えきれない → 物理的に長く座っていられない
体幹が弱いと姿勢がすぐ潰れ、
「しんどい」「もう座れない」と感じて学習が続きません。

子どもは
・頭が大きく重い
・関節が柔らかい
ため、そもそも“姿勢保持能力が低い”のが普通です。
つまり、
姿勢は気合や根性では維持できないものなのです。
姿勢は「才能」ではなく“環境と習慣”で決まる
昔は家庭でも学校でも、姿勢について厳しく注意されていました。
今はその機会が減り、さらに—
・外で体を動かす時間が減少
・スマホ・タブレットの使用増加
と、姿勢を悪化させる要因だけが増えています。

その結果、
体幹の弱さ → 良い姿勢を保てない → 不良姿勢が固定化 → 学力の伸び悩み
という流れが起こりやすくなっているのです。
脳は何歳でも伸びる。だから大人にも効果がある
脳は3~12歳にかけて大きく発達すると言われていますが、
それで成長が止まるわけではありません。
脳科学者・医学博士の加藤俊徳氏は、
「脳は幼少期に完成し、年齢とともに衰えていく」という従来の常識に対し、
脳は刺激や環境に応じて、何歳からでも変化し続ける器官であると述べています。

実際に、一人の人の脳を時系列で追った研究では、
年齢に関係なく、使い方次第で脳細胞は活性化し、
新たなシナプスがつながり、ネットワークが再構築されていくことが確認されています。
つまり——
良い姿勢によって呼吸や血流が整い、
脳に十分な刺激が届く環境をつくることは、
子どもにとっても、大人にとっても「脳を育て続ける条件」になるのです。

前編まとめ
■姿勢と学力は、実は深く関係している
教育の専門家や指導者たちは、「姿勢が整っている子ほど集中しやすく、学力を発揮しやすい」と共通して指摘しています。
■最近の子どもは“考える問題”でつまずきやすい傾向にある
文章を読んで考える、条件を整理するなど、集中力が必要な問題ほど正答率が下がっています。
■やる気がない」のではなく、体の状態が原因かも
体幹が弱く、長く座る姿勢を保てないために、集中が途切れてしまう子どもが増えています。
■姿勢が崩れると、勉強に必要な力が出にくい
猫背になると呼吸が浅くなり、脳が働きにくくなって、疲れやすくなります。
■姿勢は生まれつきではなく、生活の中で作られる
姿勢の良し悪しは才能ではなく、日々の座り方や環境、体の使い方の積み重ねです。
■脳は何歳からでも伸ばせまる
良い姿勢で学ぶ環境を整えることは、子どもの将来だけでなく、大人の集中力や思考力にもつながります。
「姿勢が大事」は分かった。では、どうすればいい?
後編では「どうすればいいの?」に答えます
ここまで読んで、
・姿勢が学力に関係していることは分かった
・でも「正しい姿勢」って具体的に何?
・整骨院ではどんなことができるの?
・家庭で何をすればいいの?
そんな疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか。

後編では、
姿勢と学力の関係を踏まえたうえで、
琴似整骨院がどのようにこの問題に向き合い、
どんな方法で“学びやすい身体づくり”をサポートしているのかを、
できるだけ分かりやすくご紹介します。
「姿勢は大事」だけで終わらせない。
“実際に何をすればいいのか”を知りたい方は、ぜひ後編もご覧ください。














































